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火災保険をご契約のお客さまから、たまに聞かれる質問です。
家が全焼した場合に火災保険が全額出るのか、心配する声はよく聞きます。
またどこまで燃えたら全焼と判断されるのか、知らない方が多いでしょう。
今日は家が全焼した場合の火災保険の補償について、顧客数8,000人を超える保険代理店がお伝えします!
もくじ
家が全焼したときの保険金
家が火事で全焼してしまった場合、基本的に火災保険の保険金額が全額支払われます!
保険金額とは、契約時に設定した保険金支払いの上限額です。
保険料を安くするために建物の価値よりも少ない保険金額を設定していた場合、支払われるのはその金額までになります。
もうひとつ気をつけなければならないことは、保険金額を時価で設定した方です。
時価だと、経年劣化した建物の価値を基準に保険金額が設定されています。
つまり全焼した家を再建築したり再購入するのに必要な費用がまかなえないことがあるのです。
このようなリスクを避けるためには、保険金額を「新価」で設定することが大切です。
保険金額の仕組みについて、くわしくは下の記事を読んでください。
参考:火災保険の保険金額とは?ムダのない補償額の決め方や目安は?
全焼と認定される基準
保険会社が全焼だと認定し、火災保険を全額支払う基準は以下の通りです!
・消防署に全焼と判断された
・延べ面積の70%以上が焼損した
・原状回復にかかる費用が保険金を超えた
・焼き損害と消火損害の合計が建物評価額の80%を超えた
※焼き損害:火災の火炎や高温による損害
(焼けた・壊れた・すすけた・変質した)
※消化損害:火災の消火行動による損害
(濡れた・壊れた・汚れた)
また、消防署が全焼だと判断する基準は以下の通りです。
・焼き損害が建物評価額の70%を超えている
・残存部分を修復しても再使用できない
「家が完全に燃えないと全焼にはならないのではないか」と考えているお客さまは多いです。
しかし建物の半分しか焼けていない状態でも、全焼として認められて保険金が全額支払われることがあります。
たとえば損害額が保険金額を上回っていたり、残った部分が使える状態ではなかったりする場合です。
逆に全焼と認定されない場合、保険金は損害の状況に応じて変わります。
保険会社が焼けた家を調査して被害額を算出し、それにもとづいた金額が支払われるのです。
火災保険の支払い例
消防署や保険会社に全焼と認定され、火災保険の保険金が支払われた事例をいくつか挙げましょう!
家事で家が焼けてしまった際、保険会社と消防署で全焼の定義が異なる点に注意しないといけません。
<例1>
建物評価額:2,000万円
焼き損害額:1,750万円
消火損害額:155万円
原状回復費用:2,430万円
火災保険の保険金:3,000万円
焼き損害額が、建物評価額の87.5%(1,750万円÷2,000万円)となっています。
消防署と保険会社が定める全焼の判断基準を両方とも満たしているため、火災保険は全額が支払われました。
<例2>
建物評価額:1,500万円
焼き損害額:970万円
消火損害額:240万円
原状回復費用:1,150万円
火災保険の保険金:1,200万円
焼き損害額が建物評価額の65%(970万円÷1,500万円)となっており、消防署が定める全焼の判断基準を満たしません。
しかし焼き損害と消火損害の合計額が建物評価額の81%(1,210万円÷1,500万円)で、保険会社が定める全焼の判断基準を満たします。
したがって、火災保険は全額が支払われました。
保険金が支払われないケース
最後に、全焼でも火災保険の保険金が支払われないケースを紹介しましょう。
それは主に、以下の7つです!
・住宅の劣化が原因で損害が発生した
・地震や噴火が原因で損害が発生した
・住宅の欠陥が原因で損害が発生した
・契約者の故意や重大な過失があった
・対応するリスクの補償を外していた
・保険金を請求せずに期限が経過した
・戦争や内乱が原因で損害が発生した
ではそれぞれについて、以下にくわしく説明しましょう。
住宅の劣化が原因で損害が発生した
年月の経過によって品質や性能が低下し、それによって起きた損害は火災保険の補償対象になりません!
メンテナンスをおこたると「経年劣化では?」と疑われることもあるので、きちんと家の手入れは行いましょう。
経年劣化の補償について、くわしくは下の記事を読んでください。
参考:“火災保険でリフォーム”は詐欺?申請代行業者によるトラブル事例
地震や噴火が原因で損害が発生した
地震(それにともなう津波)や噴火は自然災害の一種ですが、火災保険では補償されません!
なぜならこれらは、火災保険ではなく地震保険の補償範囲だからです。
地震保険について、くわしくは下の記事を読んでください。
参考:地震保険と火災保険の違いは?セットで保険料の相場はいくら?
家自体の問題により損害が発生した
そもそも家に問題があって損害が発生した場合、火災保険の保険金支払いの対象外です!
欠陥住宅に対して補償される保険としては、「住宅瑕疵担保責任保険」というものがあります。
「住宅瑕疵担保責任保険」について、くわしくは下の記事を読んでください。
参考:台風で雨漏りが発生!屋根や雨樋の修理で火災保険を請求できる?
契約者の故意や重大な過失があった
契約者がわざと火をつけるなど、故意や法令違反に当てはまる場合は火災保険の支払い対象外です!
また寝タバコなど、契約者の重大な過失である場合も火災保険の保険金は支払われません。
重大な過失について、くわしくは下の記事を読んでください。
参考:隣の家に延焼・類焼!火災保険から賠償されず隣家は泣き寝入り?
対応するリスクの補償を外していた
毎月の保険料を軽くするために特定の補償を外していた場合、その分に関しては当然ながら補償を受けられません!
たとえば契約時に水災の補償を外していたら、洪水や大雨による被害を受けても保険金はもらえないのです。
保険金を請求せずに期限が経過した
火災保険の請求期限は、損害発生から3年以内です!
この期限は保険法によって定められているので、どこの保険会社も変わりません。
火災保険の請求期限について、くわしくは下の記事を読んでください。
参考:火災保険の使い方は?保険金申請の流れや請求期限などを説明
戦争や内乱が原因で損害が発生した
戦争や内乱が起こると、火災や破壊があちこちで起こります。
ミサイルが飛んで来て、家が全焼することも考えられるでしょう。
しかしこれらの被害は免責となることが、保険会社の約款に書き込まれています。
保険証券が燃えてしまったら
家が全焼した場合、保険証券も燃えてしまうことがあるでしょう。
しかし本人確認ができれば、保険金を受け取ることは可能です!
しかし保険金を受け取るまでに手続きが必要になる場合があります。
なので保険証券は耐火金庫に入れて保管しておくと万全です。
また証券番号を別の場所に控えておくことも良い方法でしょう。
火災保険の申請方法
火災保険の申請方法は、以下の通りです!
・被害状況の確認
・保険会社に申請
・修理会社に連絡
・必要書類の記入
・必要書類の送付
・審査や調査
・保険金の受取
この手順で請求することにより、保険金を受け取ることができます。
ではそれぞれについて、以下にくわしく説明しましょう。
被害状況の確認
火事や自然災害にあったら、まずは落ち着きましょう。
そして安全を確かめてから、どれくらいの被害にあったかを確認します!
申請の際には証拠が必要になるため、壊れたところの写真を撮っておきます。
屋根やテレビアンテナなど、高い場所で自分で見るのが難しいところもあるでしょう。
そういうときは無理をせず、保険会社や保険代理店に対応を聞いてください。
保険会社に申請
建物の被害が確認できたら、なるべく早く保険会社へ連絡しましょう!
特に大規模災害の場合、保険会社は忙しくなって保険金をもらうのに時間がかかることがあります。
なので、できるだけ早く対応することが大切です。
あらかじめ保険証券を手元に準備しておくと、話がスムーズに進みます。
また被害の日時・場所・状況・発生理由など、事前にまとめておくと良いでしょう。
準備ができたら、保険会社の事故受付窓口に連絡します。
もし保険の契約を代理店で行っていたら、代理店に連絡することで代わりに保険会社と話してくれるでしょう。
最近では、インターネットを使って手続きができる保険会社も増えています。
修理業者に連絡
修理業者の手配は、自分で行う必要があります。
複数の会社に見積もりを出してもらい、提案内容を比較しましょう!
地元で評判の良い業者を選んだり、インターネットの口コミを参考にすると良いです。
誠実な業者なら、金額の根拠や修理の進め方について丁寧に教えてくれますよ。
火災保険で直すことを伝えれば、申請に必要な書類を作ってくれるところもあります。
修理金額は被害の大きさや場所によって変わり、明確な相場があるわけではありません。
中には契約者に対して不当に保険金を請求させようとする、詐欺まがいの業者もいます。
参考:“火災保険でリフォーム”という営業は詐欺?見積もり業者によるトラブル事例
万が一悪徳業者とトラブルになった場合は、国民生活センターや消費者生活センターに相談してください。
参考:国民生活センター
参考:消費者ホットライン
必要書類の記入
以下のような必要書類が保険会社から郵送されるので、必要事項を記入しましょう!
・保険金請求書
・事故内容報告書
また保険会社や事故内容によっては、以下の書類を添付する必要があります。
・罹災証明書
・損害明細書
・修理見積書
・保険金直接支払指図書
・被害が分かる写真
・住民票
・印鑑証明書
・建物登記簿謄本
それぞれの書類の説明については、下の記事を読んでください。
参考:火災保険の使い方は?保険金申請の流れや請求期限などを説明
必要書類の送付
必要書類がそろったら、返信用封筒にて保険会社に郵送します。
書類に不備があると時間が余計にかかるので、提出前によく確認してください!
ネットで加入した医療保険の場合、ウェブ上で書類提出もできますよ。
その場合は書類を写真で撮ったりスキャンしたりして、指定の場所にアップロードします。
審査や調査
書類が届いたら、保険会社は保険金の支払い対象かをチェックをします。
場合によっては、保険会社から「損害保険登録鑑定人」が派遣されることがあるでしょう!
事故原因の調査や住宅価値の算定、損害額の鑑定などを行う専門家です。
聞き取りだけで終わることもありますが、現場へ行って被害状況と見積もりの違いを調査することもあります。
なお鑑定人の数にも限りがあるため、鑑定が決まると保険金の支払いがかなり遅れることがあります。
さらに鑑定した結果、申請書類に疑問が残る場合は支払いが断られることもあるのです。
実際に2016年の鳥取県西部地震ではどのような調査が行われたか、くわしくは下の記事を読んでください。
参考:地震保険いくらもらえる?鳥取大地震での保険金支払い状況を公開!
保険金の受取
審査が無事に通って保険金の金額が確定したら、保険会社から保険金が指定口座に振り込まれます。
そして支払金額の明細が、はがきなどで送られてくるでしょう。
保険会社や事故内容によっては、時間がかかる場合もあります。
火災保険では、保険金額を上限として損害額から免責金額を除いた金額が支払われます。
損害保険金=損害額-免責金額(自己負担額)
参考:火災保険の保険金額とは?ムダのない補償額の決め方や目安は?
支払われた保険金の使い道は自由であり、必ずしも修理にあてる必要はありません。
しかし被害が拡大したり補償が受けられなくなる可能性があるので、修理することをおすすめします。
参考:火災保険の保険金の使い道は?修理しないと詐欺になるの?
全焼後の火災保険の扱い
保険期間中に建物や家財が全焼した場合、その時点で火災保険の契約は終了です!
建物を同じ敷地に再建する場合でも、新しい火災保険に再び加入する必要があります。
もし地震保険にも加入していた場合、こちらも再び加入しなければいけません。
しかし全焼でない場合は、保険金を受け取っても契約当初の保険金額が引き継がれます。
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毎日何件もの契約業務や事故対応を行っているので、経験豊富なスペシャリストがそろっているのです。
それぞれのお客さまの状況や要望をしっかりと聞いた上で、その人にとって最適な提案をしますよ。
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まとめ
家が火事で全焼してしまった場合、基本的に火災保険の保険金額が全額支払われます。
全焼の判断基準は保険会社と消防署で異なり、どちらかが当てはまればオッケーです。
しかし全焼でも保険金が支払われないケースがいくつかあるので、注意してください。
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